不動産鑑定士の論文式は、民法・経済学・会計学・鑑定評価理論の4科目を、免除がなければ3日間・6試験で受けます。各試験は120分です。準備では知識の確認に加え、設問の条件を使って時間内に答案を完成させる練習をしましょう。2026年8月1~3日の試験は終了しており、合格発表は10月16日予定です。
論文式はどんな試験?
短答式の合格者を対象に、4科目の学識と応用能力を筆記で問います。鑑定評価理論には論文と演習があり、全科目では合計6試験です。
令和8年の願書受付は2月5日~3月6日で終了しています。試験地は東京特別区・大阪市・福岡市でした。次年度を受験する場合は、新しい公式案内で申込期間と試験場を確認してください。
不動産鑑定士として登録するには、試験合格後に実務修習の修了と名簿への登録が必要です。試験合格と登録は別の段階です。
出典: 令和8年 不動産鑑定士試験受験案内(土地鑑定委員会) — 国土交通省ウェブサイト掲載の受験案内PDF; 不動産鑑定士になるには - 国土交通省 — 資格取得までの手続の解説ページ
受験資格と科目免除は?
令和8年の対象は同年の短答式合格者、または令和6・7年の短答式合格者で免除申請をした人です。所定の資格等を持つ人には、論文式の一部科目の免除もあります。
短答式に合格すると、合格発表から2年を経過する日までに行われる短答式が免除されます。翌年・翌々年に論文式へ再挑戦するときも、受験申込み時の免除申請は必要です。年齢・学歴・実務経験等の一般的な制限がないことと、論文式へ進む条件を混同しないでください。
論文式の科目免除は、下表の要件に応じて申請します。複数の免除対象がある場合は全部または一部を選べますが、免除の有無で受験手数料は変わりません。令和8年は電子申請12,800円、書面申請13,000円分の収入印紙でした。
表の「大学等」は受験案内で定義された学校教育法上の大学・高等専門学校等です。担当分野・在職年数・取得学位・合格時に受験した科目などの要件と、必要な証明書類を原文で確認してください。
| 免除を申請できる者 | 免除科目 |
|---|---|
| 受験案内に定める大学等で、法律学に属する科目の教授・准教授を通算3年以上務めた人、または法律学の博士号取得者 | 民法 |
| 受験案内に定める大学等で、経済学に属する科目の教授・准教授を通算3年以上務めた人、または経済学の博士号取得者 | 経済学・会計学 |
| 受験案内に定める大学等で、商学に属する科目の教授・准教授を通算3年以上務めた人、または商学の博士号取得者 | 会計学 |
| 高等試験本試験の合格者 | 合格した試験において受験した科目 |
| 公認会計士試験合格者(旧第二次試験を含む) | 会計学、および合格した試験で受験した科目(民法または経済学) |
| 司法修習生となる資格を得た人(高等試験司法科試験の合格を除く) | 民法 |
4科目で何を勉強する?
民法、経済学、会計学、鑑定評価理論を準備します。令和8年の法令・諸規程は、2025年9月1日時点で施行されている内容が基準です。
公式の出題範囲は下表のとおりです。教材や法令集を選ぶときは、改正前の内容だけでなく、基準日より後の改正を混ぜていないかも確認しましょう。
| 科目 | 出題形式 | 出題範囲 |
|---|---|---|
| 民法 | 論文式 | 第1編から第3編までを中心に、第4編・第5編、借地借家法、建物の区分所有等に関する法律を含む |
| 経済学 | 論文式 | ミクロ及びマクロの経済理論と経済政策論 |
| 会計学 | 論文式 | 財務会計論(財務諸表の作成・理解に必要な会計理論、関係法令、会計諸規則を含む) |
| 不動産の鑑定評価に関する理論 | 論文式(演習による出題を含む) | 不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項 |
合格基準と結果の確認方法は?
総合点で概ね6割を基準に土地鑑定委員会が相当と認める得点と、科目別の一定得点が必要です。6割を取れば必ず合格するという意味ではありません。
免除がある場合は、免除科目を除いた得点で判定されます。練習では総合点だけを追わず、苦手科目で要求された内容を欠いていないかも確認しましょう。
令和8年の合格発表は10月16日10時予定です。成績通知は11月中旬頃で、合格者には総得点・総合順位・科目別得点、不合格者にはそれらに加えて科目別ランクが通知されます。免除申請した科目以外を欠席した人には、成績通知は送付されません。
3日間の構成と持ち物は?
各試験は120分です。答案は黒か青インクのボールペン・万年筆で書き、電卓は会計学と鑑定評価理論の演習だけで、条件に合う1台を使えます。
令和8年の全科目日程は下表のとおりでした。開場は9:15で、午前は9:45、午後は13:15までに着席します。試験開始時刻までに入室できない場合は原則として受験できず、免除科目以外を欠席すると以後の科目も受けられません。
答案に消えるボールペンや修正液は使えません。訂正は二重線などで行います。鉛筆・シャープペンシルは下書きに使用できても、それで答案を記載すると無効になります。
電卓は電源内蔵で音が鳴らず、紙への記録やプログラム機能がなく、計算機能のみのものに限ります。関数電卓機能や金利計算機能も使えません。要件に迷う機種は、事前に事務局へ確認してください。ホチキスは鑑定評価理論の演習だけで使用できます。
試験時間が終わる前に答案を提出して退出することはできません。受験した科目の問題用紙は、終了後に持ち帰れます。
| 令和8年の日程 | 10:00~12:00 | 13:30~15:30 |
|---|---|---|
| 8月1日 | 民法 | 経済学 |
| 8月2日 | 会計学 | 鑑定評価理論 |
| 8月3日 | 鑑定評価理論 | 鑑定評価理論(演習) |
科目別に、どんな答案練習をする?
設問の要求、使う知識、与えられた条件、結論の順で答案を点検しましょう。次の課題は学習方法の提案で、公式の採点基準ではありません。
まず一つの設問について、何を説明・検討・計算するよう求められているかを書き出します。短い構成メモを作ってから答案を書き、設問にない情報を勝手に補っていないか確認してください。
書いた後は、用語の正確さ、条件の読み落とし、根拠から結論へのつながり、計算の単位、時間内に完成できたかを点検します。すべての与件を機械的に入れる必要はありませんが、判断に必要な条件を落とした箇所は直しましょう。自己点検の結果を、本試験の予想得点として扱うことはできません。
科目別の練習が進んだら、自分が受験する科目を120分ずつ解く練習へ進みます。構成に使った時間と書き終えた時間を記録し、完成できなかった原因が知識不足か、構成か、計算かを分けて復習してください。
- 民法:当事者と争点を整理し、適用するルール、設例の事実への当てはめ、結論をつなげる。第1~3編だけでなく、公式範囲の第4・5編や借地借家法・区分所有法も確認する。
- 経済学:設問が使うモデルと前提条件を明示する。図や式を使った場合は、変数や軸を示し、結果の意味を文章でも説明する。
- 会計学:求められる会計処理や表示を確認し、適用する考え方と数値のつながりを説明する。計算だけで終わらず、財務諸表の作成・理解との関係を点検する。
- 鑑定評価理論:基準の定義と運用上の留意事項を対応させて説明する。演習では与件、採用する資料、計算の過程、結論の整合性を確認する。
受験前チェックリスト
出願の条件と答案作成の準備を両方確認しましょう。次年度の受験では、新しい案内の基準日・期限を使って点検します。
短答式の免除と論文式の科目免除は、証明書類の扱いが異なります。令和8年案内では、論文式の科目免除は電子申請でも証明書類の原本を受付期間内に郵送します。
- 短答式の合格年と、必要な免除申請を確認する。
- 論文式の科目免除を使う場合は、対象科目と証明書類を確認する。
- 教材の法令・諸規程を受験年度の基準日に合わせる。
- 受験する各科目について、時間内に答案を完成させる練習をする。
- 受験票の到着、会場・着席時刻、筆記具、電卓の条件を確認する。
出典: 令和8年 不動産鑑定士試験受験案内(土地鑑定委員会) — 国土交通省ウェブサイト掲載の受験案内PDF; 不動産鑑定士になるには - 国土交通省 — 資格取得までの手続の解説ページ
出典
事実の確認状況:
